バプテスト病院
瓜生山の麓にたつ妖しいサナトリウム。ここに腸炎で2週間入院したことがあるが、同室は看護学生と淡い恋に陥った在日韓国人と脱走癖の抜けない入墨入りの元極道。薄いカーテン越しに聞こえる恋の戯言、修羅場をくぐってきた者だけに許される「殺すぞ」なんていう恐ろしい寝言。毎夜聞こえ続けたピッピッという心拍音が途絶え、医者たちが走り回った夜もあった(次の日からその部屋は空室になった)。ホスピスも併設されていて、棺の搬出シーンを目撃することも何度か。こないだ見に行ったら新病棟ができていたが、それでもおそらくかなり濃い体験ができることは必至の病院。(竹ムラ)
茶の道 正座番
2年程前、表千家家元での短期講習会に縁あって行かせてもらった。10日余りの間堀川の妙顕寺に泊まり、毎日毎日お点前お点前の日々を送ったわけだが、あの時の「正座」はまるで拷問、針の山にでも座っているような気分だった。最初の1・2日目くらいは普通に痺れては治りれては治りの繰り返しだった。それが3・4日目になると皿が割れてるんじゃないかと思うくらい膝が痛くなりはじめ、周りからみたらもぞもぞ動きっぱなしのかなり目立つ状態になった。5日目には足の甲が腫れあがり、もう精神統一どころじゃない。他人のお点前なんてどうでも良くなってきて、もう足が痺れていることしか考えられない。結局慣れの程度によるのかも知れないが、やっぱり私は正座素人、気が付けば講習が終わってから1週間は普通に歩けず、半年くらいはまともにに正座ができないカラダになってしまっていたわけで。(よしこ)
一乗寺〜高野界隈
学生も多いがヤの付く人も多いらしく、微妙に混沌とした雰囲気。安くておいしい行き付けの金ちゃん、豚の角煮が乗ったラーメン天宝、寅キチ一色の蛸虎、今でも通ってるZAZOU、今や超メジャーなけいぶん社・・・。あんまり京都っぽくないのに、桜並木や川や叡山電車はやはり都の風情。(アツ)
苔むすトコロ in 京都
あれは初めて銀閣寺に行ったときのこと。庭で私が見たのは、みっしりとベルベットの如く植わった苔。しっとりとしたあの質感と、岩や土を這うような低い目線の苔パノラマに心を奪われた私。あぁ、京都の苔が懐しい。(ヤマザキシノブ)
錦小路
威勢のいいお兄さんと客のやりとりが響く中、ぽってりとツヤッぽい聖護院大根などが大胆に横たわる。京野菜たちは漬物や煮物といった京都の技を身にまとう前の姿にも、独特の魅力を持つ。歴史とか美意識とかいったことで、旅人を悩殺する京都とはまた違う面が見られるようで心地よい。小さな店が逞しく貪欲な面構えで軒を連ね、食材のライブが繰り広げられている。生きる営みの源が放つパワーが素直に感じられ、「京都のお客さん」という立場でもリラックスしてしまうような空気が流れる。(マツモ)
川端散歩
五条くらいから北上するのが良い。四条辺りの「京都」な龕灯、件の整列アベック、顔にあたる柳の枝、丸太町辺りで疲れて亀橋で休憩。出町の三角州を経由して鴨川から賀茂川へ沿って下賀茂神社を通り、植物園まで犬を見ながら歩く。高野川に沿って桜並木を見るも良し。冬はユリカモメが飛来。(アツ)
京華喫茶
とても有名なお店「ソワレ」。外からみると中は暗くてよく見えない。青い光が店内を映し出している。ここはご主人が「女の人が奇麗にみえるから」といって店内の照明をブルーにしちゃった喫茶店。ソーダを注文すると、なかにカラフルな緑、青、赤、黄色の透明ゼリーが入っている。とぎれずに縦にのぼっていく泡をみてたらなんだか水族館にいるみたい。そんな時は静かに目を閉じてソーダの泡沫の音を聞きながら、うたかたの休日過ごすのがお薦めです。(一柳
麦)
京都の庭
大楠の青蓮院、室と庭との調和が印象的な詩仙堂、紅葉の祗王寺、荘厳の泉涌寺、朝靄の慈照寺、壮大の知恩院、神秘の大徳寺東海庵…ひとけのない庭にどうしても惹かれる。溜息ばかりが洩れる名庭は、自転車でいつだって行ける至極のナゴミ空間だった。(竹ムラ)
京阪電車
その軽やかな揺れ様はまるでユリカゴ。淀から関目あたりまでは熟睡ゾーン。もはや愛してました。七条京橋ノンストップがなくなってちとショック(竹ムラ)
三条駅の売店でひそかに売られているお弁当。みためはしょぼいが素朴でおいしい。ついつい買ってしまう。駅弁もおさえているとは。
やるな…京阪。(こじろう)
京雀路地
風のない穏やかな日、路地の間をくぐって角を曲がればどこか知らない世界につながっていると思っていたあの頃の、そんな世界が街の隙間にポッカリと口をあけて待ちかまえています。京都の家々には競って樹々が植えられています。キンモクセイ、ギンモクセイ、クチナシ、etc…。香りが漂ってきたらご用心。街の明りに照らされて隠れる場所のない体と心があちらの世界に行こうとします。路地の向こうはきっと鏡の裏側につながっているのだと思う。(一柳
麦)
京風らーめん
今まで刷り込みされてた京風らーめんのイメージは、デパート食堂街に入ってる店。京都に来てからファンタジーだと気付いた。スープは濃い色、コッテリ味。麺もちぢれてなかった。ラーメン博物館なんかのおかげでリアル京風ラーメンもだいぶ認知されてきたけど、全国のみなさん!観光のついでにラーメン再確認なんてどう?(ちば)