皆さんの修学旅行の想い出って何でしょう? 先生達の/スドウトモヤ目を盗んで他の部屋に行ったことでしょうか?それとも枕投げでしょうか? いずれにしても、昼間よりも夜の出来事を覚えているのではないでしょうか。私自身、中学生の時に京都・奈良に行きましたが、正直言って、慈照寺(銀閣寺)と石舞台しか覚えていないのです。それらでさえ自分で撮影した写真が残っているからであって、「記憶」というよりもむしろ「記録」なのです。時間的な制約があったからかもしれないですが、いいものに触れる機会がありながら、ただボンヤリとサラっと見てしまったので、記憶に残っていないのでしょう。それから10年以上経って再度京都を訪ねてみましたが、見方を少し変えるだけで古寺を訪れることが楽しめるのだということを改めて感じました。そのポイントをここで紹介し、皆さんにも是非古寺に行って頂きたいと思い、今回執筆致しました。
古寺を見るに当たって、建築物、庭園そして仏像の3点がチェックポイントとなるでしょう。今回はテーマである「仏像」の見方を中心に紹介したいと思います。決して「古寺巡礼」なんて大げさなものではなく、散歩気分で気軽に仏像に会いに行く。そんな「古寺散策」のススメです。
仏像を見るときに必要なものと言えば、懐中電灯、双眼鏡、朱印帳です。まず、懐中電灯ですが、時として仏像が暗いところに安置されていたりするので、その場合に懐中電灯がかなり役に立ちます。普通の光量では見えなかったものが次々に浮かび上がりちょっぴり得をした気分になれます。次に双眼鏡。これも懐中電灯に似たような感じなのですが、仏像を遠くからしか見えないような場合に威力を発揮します。アップで見ると、表情が変わって見えたり衣服のデザインの細かい部分まで見ることが出来たりして、これでまた、ちょっぴり得した気分になれます。最後に朱印帳。これは皆さんには余り馴染みのないものだと思います。寺や本尊の名前や参拝日などを墨書で書いてもらうもので、これは「記録」として残ります。何だか仏像本人にサインをもらった感覚になり、ここでもちょっぴり得した気分になれます。それに、スタンプラリー的な要素もあるので、ゲーム感覚でも楽しめます。(って、罰当たりかな?)
こうしたアイテムを利用して仏像をいろいろな側面から見て下さい。そして、その印象を素直に表現してみて下さい。知識は必要ありません。「かっこいい」とか「セクシー」とか「面白い顔している」なんてものでも良いのです。どんな感想であれ、それはその仏像から受けた直感的なものであり、これこそが「記憶」になる部分なのです。こうしていくと、アカデミックな存在の仏像が身近に感じられませんか? 仏像は肩肘はって見るのではなく、気軽に見て、自分なりの感想を持つことが大切なのです。
さあ、近所に古寺があるのなら、今度の休みの日に行ってみてはどうでしょう。仏像との素敵な出会いがあるかも知れませんよ。
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